(第6回)アラサー最後の砦「乳首ポチッ」
地味でダサい女(橋本マナミ)がアラサーでやっと輝く話
地味でダサい女(橋本マナミ)がアラサーでやっと輝く話
(第6回)アラサー最後の砦「乳首ポチッ」
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こんにちは、橋本マナミ、32歳です。

前回までのお話しは……


当時26歳。事務所を辞めました。

1回全部捨てようと思って、別に他の行先が決まってたわけでもないのですが、辞めるとしたら、「今だ」みたいな直感で動きました。

芸能界に入ったときも勘でしたけど、勘が働くときがあって。
けじめとしての一度リセット、です。

26、7歳で売れてもいないあなたはこれから何をやるんですか。

 

 

 多分、2年悩んだからこその、もう悩むなら人生1回しかないし、どこにいたって食べていけるし、バイトもいっぱいあるし、家もどっかに潜り込めばいいし(いとこが経営してるアパートをあてにしていました)…って。

 ゼロは絶対ない。誰か助けてくれるから、後悔しない人生にしよう、なんとかなる、と。

 

 

 もしこれで芸能界がダメだったら、違う仕事もいっぱいある。

 それでもいいと思いました。そんなにしがみついててもな、って。そこで幸せだったらいいけど、今まではそうでもなかったから。リセットして、最後の最後で勝負したいなという気持ちでした。

 

 

 そして、数か月後に所属先を探しましたが、事務所は、全然見つかりませんでした。

 

 

 7社ぐらい断られました。普通に履歴書を送ると、10年以上芸能活動していて、なんでこの人送ってきたんだろう、ってちょっと不審だろうと思ったので、全部知人の紹介でお会いしました。なかなか繋がらないので、合っていただくまでも大変です。

 とは言え、紹介で会っていただけたら、だいたい入れるじゃないですか。それでも、はっきり断られました。

 

 

「もう年齢も遅いし、実績もないし、どうやって売っていけばいいんですか?」

 

 

ってはっきり言われました。遠回しだと、「もううちには同じ年ぐらいの人がいるから、もうその人だけで十分です」と。

 

 でも、折れませんでした。

 お芝居をやりたかったので、少人数制で、著名な女優が所属する事務所など、結構難易度が高い事務所にお願いしていたので、そりゃダメだな、ってちゃんと理解できます。

 

 

 そのときにタイミングがよく今の事務所のアービングの方に出会いました。事務所の名前も知らなかったから、大丈夫かなとちょっと思ったんですけれど、マネージャーさんも他の事務所から入ってきているという話を受けて、一応入ってみました。後がなかったので、どこでもお世話になれるならという気持ちですね。

 

 

 もう何もなかったです。真っ白。アービングに入って3か月ぐらいは仕事もなし。別に戦略としてグラビアから売っていこうというのもありませんでした。最初に来た仕事でとにかく挑戦しないとダメだって思っていました。

 

 

 そして、マネージャーさんが持ってきてくれたお仕事が「フライデーのグラビア撮り下ろし出よっか」だったんです。

 

 

 


手ぬぐい1枚「限界露出」で、お願いします

 

 

 その1年前2年前だったら、もう、ほぼグラビア誌は出られなかったです。アイドルの方たちが出てたから。ずっとグラビアはアイドル全盛が続いていました。

 ちょうど、グラビアに壇蜜さんが登場し、大人のセクシーなグラビアが受け入れられ始めた。時代が変わりつつあった時期だったんです。

 

 

 雑誌社は、壇蜜さんのように大人セクシーなグラビアを撮れる人を探していて、「出すなら、露出が高い感じでお願いします」という感じ。私はずっと水着を着てグラビアに出ていたので、それを外すっていうのが売りなんですよね。限界露出グラビアみたいなのが売りになるから。「もう手ぬぐい1枚でやってください」っていうオーダーでした。

 

 

 今度は「芸能界の波」に乗り遅れるわけにいかない。

 

 

 それまでは、露出にも結構こだわっていました。脱ぐのっていやじゃないですか。もう隠す方、隠す方だったんですけど、もうそんなこと言ってられない!

 1回捨てたし、ゼロからだからどうでもいいやと思って、とにかく自分ができる表現を何も隠さずやったんです。

 水着を全部脱ぎ捨てて、手ぬぐい1枚になって。最後の賭けだから、手ぬぐいでもなんでもいいから、もうとにかく、何か伝わって!という一心で。

 

 

 そのグラビアに、ものすごい反響が、あったんです。

 

 

「えっ! 私をいいって言ってくれる人がすごいいっぱいいるんだ」ってすごい嬉しくて。

 それまでちゃんと認められたこととか、いいって言われた経験がなかったので、こんなにもみんな喜んでくれるんだ、もっともっとセクシーにしたら、みなさんがもっともっとハッピーになってくれるんだったら、私は頑張りたいなと思いました。

 

 そして、私はどんどん過激になっていくんですよね。「グラビアはセックスだ!」とか言い始めて(笑)。グラビアのお仕事はどんどん広がっていきました。

 

 

 


乳首ポチッはA~Cパターンで「調整」してください

 

 

 グラビア祭りは、最初にフライデーが出た2013年の4月から、1年ぐらい続きました。そして、2014年の5月に写真集を出すんですけど……。

 

 

 写真集って今のご時世、売れないから、なかなか出せないんです。私はグラビアで撮り下ろしでは売れているけど、写真集が売れる保証はないから、売るために「調整」してくださいって言われました。

 

 

 Aパターン、Bパターン、Cパターンで「調整」です。

 胸がどれだけ透けるかっていう参考みたいな資料をいっぱい持ってこられました!!

 

 Aパターンは隠れてはいるけれど乳首の形が見える。

 Bパターンが乳首の形も分かるしちょっと色もわかる。

 Cパターンはもう透け透け。

 

 Aだったら8000部、Bだったら1万部、Cだったら15000部みたいな、それでギャラが変わるんですよ。そういう資料を前に……すごい嫌で。お金なの?って。

 

 

 その胸のポチっていうのをやるだけで、最後じゃないですか。その写真集がもし売れなかったとしたら、次の撮り下ろしで要求されるのはポチ以上のものだから、そこに掛ける必要あるのかな?って。

 半年ぐらい悩みました。

 

 

 

 こんなに今まで順調に来てるのになんで「調整」しなくちゃいけないんだろう……。でも、もうやるしかないな、って。やってみて進めなかったら、それまでなんだなって、思い切ることにしました。

 

 

 で、Aパターンをやるんですけど。

 撮影の当日も、もう本当に嫌で嫌で。いざ撮影に臨んだ瞬間に「やるしかないな」って切り替えました。だから、「挑む」っていうのが全面に出た写真になりました。その時にしか出せない覚悟の表情っていうか。その覚悟が伝わったんでしょうね、それも話題になりました。

 

 

 今もその写真集はお気に入りです。

 「ポチが砦」で余裕がなかった、その時の表情は今出せないから。残せてよかったです。今だったらできない。今だったら、「ポチなんかいつでもいいですよ~」みたいな感じになってるから。ハハハ。

 

 

***

 

 時代は飽きるというか、新しいものを求めるので、若さに飽きた時代が移ろうとしていたところだったんでしょうね。潮目に出会えたのは奇跡的でした。

 

 

 今、どんどん高齢化社会になっているから、30代でも可能性があるんですよね。むしろ多いかもしれない!?

 

 

 

 

hashimoto_m

 

 次の更新日は3月21日です。

プロフィール
橋本マナミ
はしもと・まなみ/女優、グラビアアイドル。1984年8月8日生まれ(32歳)、山形県出身。 「国民的愛人」のキャッチフレーズでセクシータレントとして映画、ドラマ、バラエティなどで活躍中。